30代男性

調査したり思ったりしたことをつれずれに。

株式分析 エリアリンク

エリアリンクは長期で買い(2017.2)

 

エリアリンクは、不動産業の中でも不動産を安く仕入れて売る流動性事業から、保有不動産の受取賃料収入を計上するアセット事業をメインとするストレージ事業への大きな事業転換を行った。そしてアセット事業は”順調に”伸びている

 

一番のポイントは、昨年今までやっていた流動性事業をスパッとやめたことである(厳密にはそれとは別に同じ流動性事業の底地事業を始めているのでスパッとやめていないが、メインにするのをやめたということである)

 

そのため、売上高・経常利益などを減少させている。それを受けて株価は下がった。ここでメインの事業を流動性事業から、アセット事業に移したということをどう解釈するかが大事であり、株価が下がったのはチャンスであるとみる。

 

不動産の流動性事業は地価の影響を受けやすいので変動性が強い。そのためPERは低めで抑えられてしまう。実際にエリアリンクも2009年に大赤字のため最安値をつけているからだ。それではアセット事業は不安定なのか?これが今回のポイントである。

 

結論からいうと、不安定ではない。順調に売り上げは伸びており、エリアリンク アセット売上推移をみると、順調すぎる。これでPER10-15の間にいることは不思議だろう。特にリーマンショックでも揺るがなかったのは大きい。

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今までのエリアリンクや、他の会社のPublic storageの業績をみる限りは、アセット事業は、かなり成長力があり安定しているとみられている。つまり以前のPER、PBRで判断すべきではないとみる。2017.2 現在PER14 PBR1.1。

 

-競合企業-

底地事業

サンセイランディック PER 6.6倍 PBR 0.89倍 と評価は低い

 

アセット事業(ほかは非上場)

キュラーズ(用地取得までしての高品質が売り。管理人常駐がポイント)

ライゼボックス(おしゃれな競合)

加瀬倉庫

 

国外アセット事業

Public Storage (S&P500) PER 31.27

Big yellow storage(U.K.) PER 9.8 (株価が低下しており注目。どうも伸びが止まったようである。稼働率も横ばい)ただ、イギリスは日本の1/2の人口で3倍部屋数が既にあるところは注意。つまり2012時点では日本は6倍の成長の余地あり。http://www.quraz.com/trunkroomchannel/marketinfo/marketinfo014.aspx

 

アセット事業は2004年の時代を読む(エリアリンクサイト参照)で、2本目、3本目の柱を作って置くことが大事という話で、始めたストレージ事業だったわけで経営の一貫性と変化ができている。この柱の次の柱を作る動きがあるかは20年先ではどうなのか。S&P500に入ったストレージは大きな柱になるとみている。

 

さて、大株主は大きく変遷している。

 

昨年度

本年度

林 尚道

28136600

28136600

GOLDMAN SACHS & CO. REG.

6980795

9466895

日本マスタートラスト信託銀行株式会社

4733900

5180400

資産管理サービス信託銀行株式会社(みずほ)

3644800

3914600

MELLON BUNK

 

2728805

野村信託銀行株式会社

2975500

2657300

株式会社アミックス

2500000

2500000

株式会社SBI証券

2310500

0

株式会社新居浜鉄工所

2000000

2500000

エリアリンク取引先持株会

1992800

2054000

小川 秀男

1612800

 

 

注目すべきはGOLDMAN SACHSとMELLON BUNKがSBIから譲り受けたのか増えていることである。海外の業績をみて、割安と判断したのだろうし、2016年度の配当が35円→39円と増えるなど発言力が増している可能性がある。株主第一での経営が期待できる。

 

問題点は、キュラーズと比べて賃貸であることである。賃料の変動に影響を受けやすい。ただ、平均3年で顧客が交代するので、そのたびの価格改定などで対応していく形となる。少なくとも利益率8%がなければ投資しないという姿勢を崩さなければ問題ない。

 

なお、11月から株価が上がっているが、これは3Qの決算で不動産の仕入れ(底地)20億円に達したためとみられる。底地の仕入れにより来期に場合によっては20億円の売り上げがつく可能性があるといえる。サンセイランディックの記録を観る限り仕入れが難しくなっているようなので心配されたところが解消されたとみていいだろう。

 

今後の株価上昇要因

1.業績予想で経常利益20%に至る利益増加予想

2. 底地の販売による利益計上

3.東証1部上場(驚くべきことに東証1部の資格を満たすが東証1部ではない。業績安定で賃貸事業として上場か。)

 

今後の株価下落要因

1、創業者の死亡、病気

2、”既存の”稼働率低下が70%を切るとそろそろ底がみえてくる(9月-2月には季節性で落ちるのは注意が必要)

3、2×4トランクがうまく設置できない

 

10年後の目標株価 4000円台 (安定成長性が好まれPER22-25台 利益1.5倍 年平均10%成長)6000円台まで高騰すれば売りも考慮。

 

参考ブログ

細かい第4Qの数値が観たい方は以下のブログがおすすめです。

http://tagumarukabu.blog.fc2.com/blog-entry-1228.html